資本金1000万円が節税対策のライン【賢く節税対策を】

会社の資本金は、額が多ければ多いほど「金銭的に体力がある」という印象を与え、仕入れ先や営業先との取引でも有利に働きます。ともすれば、資本金は多い方がよさそうですが、一概にそうとは限りません。資本金1,000万円のラインがカギとなるのです。

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資本金1000万円以上のメリットとデメリット

消費税課税事業者として消費税を納税する

消費税課税事業者とは、消費税を納める必要がある個人事業主や株式会社等のことをいいます。以下のうち、一つでも条件が当てはまれば消費税課税事業者の対象となり、税金を納税する義務が生じます。

☑1.基準となる対象期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合
☑2.資本金が1,000万円以上で会社を新しく設立した場合
☑3.「消費税課税事業者選択届出書」の提出を行った場合

上記のように、1,000万円以上の資本金で法人を新しく設立した場合には、消費税課税事業者の対象となり、消費税を納税する義務が生じます。

法人住民税が資本金額によって変わる

会社が納める法人税の一つである「法人住民税」には、所得から算出された法人税額に住民税率を乗じた「法人税割」と、資本金や従業員数などの会社の規模や、事業所所在地ごとに異なるものの、所得に応じて変動するものではない「均等割」から構成されています。「法人税割」と「均等割」を足したものが「法人住民税」となります。

この「法人住民税」を構成する「均等割」は、資本金が1,000万円を超えると、税金の額が上がる仕組みとなっています。「均等割」は、たとえ会社の所得が赤字の場合でも、毎年支払わなければならないものなので、積み重なれば大きな負担となりうるものです。

また、金融機関などが法人に対し、利子等を支払う際に徴収していた「利子割」は、平成28年1月1日より廃止されています。

売上よりも仕入や経費が多い場合に得をする

資本金が1,000万円以上で会社を設立すると、消費税課税事業者の対象となり、税金を納めることになるため、デメリットとも捉えられますが、あえてその対象者となることを選択する経営者の方もいるのです。理由は「消費税の還付が受けられる」というメリットがあるためです。

還付が受けられるのは、支出に係る消費税額が、売上に係る消費税額を上回ったときです。例えば、新しく設立したばかりの会社では、機械や備品等の購入で多くの支出が予想されます。購入の際にかかる消費税が、売上の消費税額よりも上回る可能性は高く、場合によっては、消費税課税対象事業者になっておいた方が支出を最低限に抑えることができる特典があるのです。

資本金1000万円未満のメリットとデメリット

基準を満たしたうえで消費税免税事業者になれる

国内において、個人事業主や法人の事業者が物品やサービスを提供するとき、その販売価格には消費税が上乗せされます。この消費税を預かった事業者は、毎年決まった時期に消費税を納税する必要があります。しかし、一定の小規模な事業者は、消費税の納税義務を免除される場合があります。

このような事業者を「消費税免税事業者」とよびます。消費税免税事業者となるためには、一定の基準があり、基準期間における課税売上高や、給料支払額、資本金の額により判定されます。多くの場合、前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税免税事業者と認められます。

新たに設立された法人については、設立初年度と次年度の二期間は、原則として納税義務が免除されます。しかし、会社設立時の資本金が1,000万円を超えると、消費税免税事業者の「対象外」となります。したがって、資本金が1,000万円未満の場合には、会社設立後の二期間は、消費税を納める義務が免除されるというメリットがあるのです。

仕入よりも売上の方が大きいと得をする

資本金が1,000万円未満の場合には、会社設立後の二期間は消費税を納める義務が免除されます。会社が消費税を納める場合は、仕入を行う際に支払っている消費税と、商品を販売して顧客が支払った消費税を相殺し、その差額を税金として納めることになっています。

例えば、200万円で仕入を行って16万円の消費税を支払い、顧客からの売上が600万円で48万円の消費税を預かっている場合、預かっている消費税から仕入で発生した消費税を差し引いて、32万円の消費税を納める必要があります。

しかし、資本金が1,000万円未満で会社設立後の二期間は消費税の納税義務が免除されているため、この32万円の消費税は納める必要がなく、会社の利益とすることができるのです。したがって、この二期間に仕入よりも売上の方が大きければ大きいほど利益も増えるのです。

消費税課税事業者に選択することもできる

このように、「消費税免税事業者」の対象になると、仕入よりも売上の方が多いときに利益も大きくなる、というメリットがありますが、会社設立後は業績の先行きが不透明であったり、また、会社設立における備品等の購入もあるため、売上よりも支出の方が上回る可能性も充分にあり得ます。

例えば、500万円で仕入れを行い、40万円の消費税を支払い、その後売り上げが伸び悩み、200万円の売上から16万円の消費税を預かるとします。すると差額はマイナスとなり、24万円の損失となってしまうのです。

したがって、支出が売上を上回る等、最悪のケースも想定して、消費税の還付が受けられる「消費税課税事業者」を選択する事業主もいるのです。この場合、支出に掛かる消費税額が、売上に掛かる消費税額を上回ったときに利益がでる仕組みとなっているため、支出を最低限に抑えることができるのです。資本金が1,000万円未満でも「消費税課税事業者選択届出書」を提出することで、対象者となることができます。

会社設立の資本金を設定する時のポイント

事業に必要な資金を想定する

会社を設立するときは、以下のような費用が必要となります。

☑1.株式会社の設立申請 約20万円
☑2.賃貸オフィスの保証金
☑3.パソコンやデスクなどの事務用品
☑4.会社を知ってもらうための広告費

これらを踏まえて、事業に必要な資金を想定するとよいでしょう。また、会社を設立したばかりのときは業績の先行きも不透明となるため、何も売上が上がらなくても最低半年先くらいまで業務をもたせられる運転資金も必要です。

しかし、全額を資本金として投じるのではなく、万が一に備え、資本金の半分までを「資本準備金」として積み立てておくこともできます。これにより、会社の業績が悪化したときなどに、資本準備金を取り崩して赤字による損失を補うことができるのです。

資本金の額によって変動する税金を考慮する

会社を設立しビジネスを始めた場合、会社は必ず税金を納めなければなりません。会社が納める税金には、「法人税(法人所得税)」「法人住民税」「法人事業税」があり、会社はこれらすべての税金を納める義務があるのです。

資本金を決める際には、資本金の額によって変更する税金についても、よく考慮しておく必要があるでしょう。「法人住民税」を構成する「均等割」は、資本金が1,000万円を超えると、納める税金の額が上がる仕組みとなっています。「均等割」は、たとえ会社の所得が赤字の場合でも、毎年支払わなければならないものです。

会社を設立したばかりの頃は先行きが不透明なため、万が一売上が伸び悩んだ場合には、法人住民税の負担が重くのしかかる最悪のケースも考えておく必要があります。

免除や還付金制度を含めた概算を出してみる

会社は、顧客から預かった消費税を納める必要がありますが、一定の基準を満たした場合には消費税の納付が免除される仕組みがあります。資本金が1,000万円未満の場合には、会社設立後の二期間は、消費税の納税義務が免除され、仕入と売上に発生した消費税を相殺して、プラスとなった金額はそのまま会社の利益とすることができます。しかし、売上が伸びず、仕入額のほうが上回ってしまった場合には、業績はマイナスとなってしまいます。

資本金が1,000万円以上の場合には、消費税の納税義務が発生するものの、消費税還付金制度を受けることができます。この制度は、支出が売上を上回ったときに適用されますので、費用のかさむ会社設立時は、制度を利用することによって支出を最低限に抑えられるケースもあるのです。消費税の免除や、還付金の制度を含めた概算も、あらかじめ出しておくとよいでしょう。

資本金1000万円のラインが節税対策の決め手になる

資本金1,000万円を基準として、会社の納める税金の額が変わってきます。「法人住民税」を構成する「均等割」は、資本金が1,000万円を超えると税金が上がる仕組みとなっており、会社のその後の業績によっては、大きな負担ともなりうるものです。

また、設立時の資本金が1,000万円以上の場合には、消費税を納める義務が発生しますが、1,000万円未満の場合には、消費税の納税が免除されます。また、消費税還付の制度も、資本金1,000万円のラインが基準となっています。これらの制度には、支出と売上の金額によって利益が左右されますので、会社の規模を考慮し、支出と売上の見込みをしっかりと概算してから、資本金を決めるとよいでしょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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