社会保険から国民健康保険へ。会社を退職したら必ず行う手続き

会社に勤務している間は、社会保険に加入しています。社会保険は、社会保障制度として生活のあらゆるリスクに備える制度です。会社を退職した日の翌日からはその資格が喪失します。国民健康保険に加入する、社会保険を任意継続するなどの方法があります。

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社会保険から国民健康保険に加入するポイント

退職後に加入する

日本は「国民皆保険制度」により「社会保険に属さない人は国民健康保険へ加入」することとなっています。自営業や、無職、学生などは国民健康保険に加入。会社に勤務するサラリーマンは協会けんぽや健康保険組合などの社会保険に加入することになっています。

社会保険とは、健康保険と厚生年金のほかに介護保険や雇用保険、労災保険を含めた5つの保険。社会保障制度として、国民の生活の病気やケガ、失業、老後の生活などあらゆるリスクに備えた公的な保険制度です。サラリーマンやパート、アルバイトの方は、会社が社会保険の適用事業所で、一定の勤務条件を満たしている場合は社会保険に加入しています。

会社を退職した場合、社会保険から国民健康保険へ切り替える手続きをしなければなりません。その手続きは、自宅近くの市区町村役所で行います。

起業者は健康保険の選択

退職した後、独立してフリーランスか起業者として起業する方法があります。フリーランスとは、企業などから依頼された仕事を行う個人事業主。案件単位での仕事を請け負うスタイルになります。申請などの手続きは必要がなく開業届も必要ありません。起業者とは、自分で会社を設立、新しく事業を始めることで税務署に開業届を申請。資金などの必要もあります。

個人事業主にしても、会社を起業した経営者でも社会保険に加入する義務があります。個人事業主の場合は、国民健康保険への加入手続きする必要がありますが、起業者の場合は国民健康保険に加入する手続きを行うか、勤めていた会社の社会保険の任意継続の手続きを行う方法があります。

再就職先で加入手続きする

退職日から再就職先への入社が数日の空白期間の場合、

☑ 国民健康保険に加入する手続きを行う

☑ 任意継続に加入

☑ 再就職先で加入

以上の方法があります。国民健康保険の保険料は月末の時点で国民健康保険に加入している場合のみに発生します。退職すると資格喪失証手続きを行いますが、その手続きが間に合わないときにもし医療機関を受診しても、その時点では全額支払います。健康保険に加入手続き後、領収書と保険証を提出することで還付されます。

退職した日の翌日に再就職先への入社が決定している場合は、会社がすべて行ってくれますので自分で行う手続きはありません。

健康保険資格喪失証明書を受取り再就職先に提出

会社を退職すると、国民健康保険の加入手続きなどに必要な「社会保険資格喪失証明書」というものが発行されます。健康保険資格喪失証明書と呼ばれるものですが、会社の退職時に発行されるのが一般的です。

しかし、企業の中には退職者から健康保険資格喪失証明書の依頼がないと発行しないところもあり、その場合は発行までに数日から数週間かかる場合もあります。発行は義務ではなく、退職者の依頼によっての発行になるからです。市区町村役所によっては健康保険資格喪失証明書がなくても雇用保険離職票や退職証明書などで手続きが可能。

退職日の翌日、再就職先への勤務開始の場合は健康保険資格喪失証明書を提出するだけで、社会保険の切り替え手続きが完了します。

家族の健康保険の扶養に入る

家族が働いていて社会保険に加入している場合は、家族の健康保険に扶養家族として加入できる可能性があります。扶養に入るためには2つの条件があります。

☑ 1.年収が130万円未満で被保険者の年収の1/2未満であること。

☑ 2.3親等内の親族であること。

退職前に130万円以上の収入があっても、「退職日」が基準なので退職日以降の収入の見込みがないので扶養に入れるます。しかし、健康保険組合によって認定基準が異なります。確認が必要です。

任意継続する

退職後も健康保険組合への任意継続をすることができます。退職者が希望する場合、最長で2年間は継続する「任意継続」制度を利用。手続きは、退職日から20日以内に、健康保険組合などに「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出します。このとき、被扶養者として家族も手続きするときは同時に申請します。

任意継続するには以下の条件があります。

☑ 社会保険への加入歴が2ヶ月以上

☑ 退職日の翌日から20日以内の手続き

退職時の給与によっては国民健康保険よりも割安になる場合や、扶養者が多いと国民健康保険よりも割安になる場合も。しかし、退職した後の保険料は全額自己負担になり、会社が半額負担をしていたサラリーマンのときよりも保険料が高くなります。しかも、滞納は認められず一度でも滞納をすると資格を失うことになります。

健康保険証の困りごとを解決

近年増えているのが退職後、以前の職場の健康保険証を使用して医療機関を受診する方の増加。退職した日の翌日から、健康保険証は使用できなくなります。もし誤って使用した場合は、後で医療費の請求書が送付されてきます。

健康保険証を紛失した場合は、再交付申請をします。国民健康保険ならば市区町村に身分証明書と印鑑を持参し手続きをします。社会保険はまずは会社に相談してみましょう。

そのほか、氏名の変更、引っ越しなど健康保険証に関する困りごとは協会けんぽや健康保険組合に相談。国民健康保険の場合は市区町村役所に相談しましょう。

新しい健康保険証が届かない

国民健康保険証は加入手続きをすると当日発行されます。社会保険の健康保険証は、新しい就職先へ入社してから1週間から2週間かかります。

国民健康保険の場合、市区町村役所での手続きなので即日発行が可能。社会保険の場合は、協会けんぽや健康組合などの組織と、加入者との間に会社が入るので発行に時間が必要になります。規模が大きな会社だと、一度本社を経由するなどの流れがあります。新しい健康保険証が届かないうちに医療機関を受診する場合は、医療費は全額負担になります。

健康保険証がなく医療機関にかかる場合

国民健康保険への加入手続き中に、医療機関へ受診しなければならないときがあります。そのときは、医療機関窓口に国民健康保険への加入手続き中であることを伝えた上で受診、医療費の全額を支払います。そのときに後日、保険診療に切り替えることが可能かを確認。

保険診療への切り替えが可能なときは、国民健康保険の加入手続き後に健康保険証を医療機関に提示し、払い戻しを受けます。保険診療に切り替えることができないときは、領収書と診療明細書を医療機関から受け取り、市区町村役所で国民健康保険の加入手続きの際に「療養費」として申請。内容を審査し診査費用の7割から9割が払い戻されます。

郵送返却の方法

健康保険証は原則、手渡しでの返却です。退職の手続きのときに返却すれば問題はありませんが、もしさまざまな事情で返却しなかった場合、「郵送返却」という方法もあります。

郵送返却をする際に確認するべきことがあります。

☑ 郵送返却は可能であるか

☑ 部署名など宛先

会社の健康保険組合に郵送する場合や協会けんぽの場合は、今まで勤務していた会社へ郵送します。

国民健康保険の保険証を郵送返却する場合については、各市区町村役所のホームページか電話で確認しましょう。

保険証は身分証明書としても使われるものです。郵送する場合、普通郵便で送ることは絶対にやめましょう。

国保と任意継続どちらがお得か?

任意継続の加入条件は最長で2年と定められています。任意継続を脱退する条件として、2年を経過したとき、1度でも滞納したとき、再就職したときとなっています。任意継続は加入すると2年間はやめることができず、保険料は2年間同じ金額になります。

2年間、固定の保険料を支払うことになるわけですが、国民健康保険の場合は2年目の保険料は安くなる可能性も。任意継続保険料には、最高限度額が決められており在職中の標準報酬月額が28万円以上の方は、任意継続保険料は安くなる可能性があります。

しかし、退職時の任意継続保険料は、前年の所得により計算されます。保険料は2年間続くので、退職した後の年収の変化を考慮しなければなりません。大きく年収が下がる場合、国民健康保険にしたほうがよいといわれています。それは雇用保険の失業給付は所得とみなされないので、失業中の国民健康保険は安くからです。

会社都合など正当な理由があり退職した場合は、国保は減免制度が利用できる可能性。退職した日の翌日から翌年度の3月分まで減免の対象になりますが、市区町村によっては減免制度がないこともありますので確認は必要です。国保は加入人数によって保険料が異なります。

任意継続は条件を満たせば、扶養家族の追加が可能。追加保険料はなく扶養家族が多い方は、任意継続が得といえます。しかし、求職活動が長引きそう、扶養家族もいないという方は国民健康保険がよいといわれます。

国民健康保険と社会保険二重払い

国民健康保険と社会保険二重払いの還付

国民健康保険に加入していたけれど、再就職先で社会保険に加入したという場合、社会保険の加入手続きは会社が行ってくれますが、国民健康保険の脱退に関しては自分で手続きを行う必要があります。

もし、国民健康保険の脱退手続きを行わずに社会保険と国民健康保険の保険料を2重に支払っていたときは、国民健康保険の脱退手続きを行うことで2重に支払っていた期間の保険料は還付されます。還付には時効がありその期間は2年間です。2年過ぎた場合は還付されなくなりますので注意が必要です。

実はかなり多いといわれる国民健康保険と社会保険の2重払い。再就職などで、健康保険が切り替わるときは2重支払いになっていないかきちんと確認する必要があります。

国民健康保険と社会保険を分かりやすく区別

国民健康保険と社会保険の区別がつくようにしましょう。

☑ 国民健康保険

自営業などの個人事業主、学生、無職などの方が加入します。国民健康保険に加入している方は国民年金保険にも加入しています。運営は市区町村。保険料は前年度の所得をもとに算出されます。扶養という考えはなく保険加入者全員の保険料を支払うことになります。出産手当、傷病手当の給付はありません。

☑ 社会保険

会社員など民間の企業で働く方は会社を通じて健康保険と厚生年金、医療保険、労災保険、雇用保険に加入します。健康保険の運営は協会けんぽや各健康保険組合。個人の収入や加入期間により保険料が異なります。扶養家族が何人いても保険料は変わりません。会社が保険料の半分を負担します。育児休業中の加入者は保険料の払い込みが免除される、国民健康保険よりは保障内容が手厚いなどの違いがあります。

社会保険から外れたら必ず国保か扶養に入る手続きをしましょう

国民皆保険制度を適用している日本では、成人は国民健康保険か社会保険に加入しなければなりません。社会保険の適用対象になっている事業所に勤務している会社員の方は、社会保険に加入することになっています。社会保険は、健康保険、厚生年金、医療保険、労災保険、雇用保険と幅広く生活を保障する制度。

会社を退職した日の翌日からは、社会保険の資格を喪失します。必ず、国民健康保険に加入するか、家族の社会保険の扶養に入る、今までの会社の社会保険の任意継続のどれかを選択し手続きを行う必要があります。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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