消費税免除の仕組みとは。条件と対策を理解してうまく活用しよう

個人事業者も会社を設立した法人も、起業後に消費税の免除を受けられる場合があります。消費税の免除を受けるためには免税規定の条件を満たしていなければいけません。その条件や対策について理解してうまく活用することで経営を円滑にすることができます。

税理士の無料相談実施中!
当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には、税理士にご相談頂いたほうがよい可能性があります。
ご相談は無料ですので、お気軽に エクセライク会計事務所 までお問い合わせください。
✆ 0120-017-591 メールでのご相談

 

消費税の免除

起業から2年間の消費税

起業から2年間は消費税が免除される場合があります。平成23年に税制が改正されて以前よりも少し条件は厳しくなりましたが、既定の条件を満たしていれば消費税免除の特典を受けることが可能です。

個人事業主でも法人でも消費税2年間免除の特典はありますが、法人の場合は資本金が1,000万円未満の場合に限ります。消費税2年間免除の理由は、課税か免除かの判定が2年前の売上高で判定されるからです。

消費税が課税になる売上高のボーダーライン

売上高が1,000万円を超えない限りは、原則として消費税はずっと免除されます。ただし2年間免除の特典があるので、初年度の売り上げが1,000万円を超えたとしても、原則として最初の2年間は消費税免除になり、3年目からは課税事業者です。

「原則として」といっている理由は、税制改正により例外が設けられたから。特定期間の課税売上高もしくは給与などが1,000万円を超えた場合は、次の年である2年目から消費税が課税されるので注意しましょう。

詳細はこちら

 

消費税免除のメリット

消費税免除の事業者は、仕入よりも売上の方が大きかった場合に得をするので免税事業者であることがメリットになります。消費税免税になる事業者には条件があります。

☑ 1.資本金1,000万円未満の会社であること。
☑ 2.基準期間(前々事業年度)の売上高が1,000万円以下の会社であること。
☑ 3.特定期間(全事業年度の開始日から6ヶ月間)の課税売上高や給与支払額が1,000万円以下の会社であること。

これらの条件を満たしていれば課税する必要はなく、消費税は免除されます。消費税免除がメリットになるかどうかを判断するために、売上、仕入れ、事業にかかった経費をしっかりと計算するようにしましょう。

消費税免除のデメリット

消費税が免除されたほうがデメリットになるケースもあります。例えば支払った消費税が受け取った消費税よりも大きかったら、本来は還付で戻ってくるはずの消費税なのに免税事業者だということで還付を受けることができません。その場合は、個人事業主よりも還付を受けることができる課税事業者に変更したほうが節税になる可能性があるということです。

法人化をして課税事業者になるというのは最優先の選択肢ということではありませんが、業務内容を見直して検討する価値はあります。事業を分割して、一部を個人事業主にして一部を法人化するという手段も節税のためには有効的な方法です。

消費税免除がデメリットになる(課税事業者のほうがメリットになる)場合の例

☑ 1.設立初年度の設備投資額や不動産購入額などの支出が多く、仕入額よりも売上高のほうが低かった場合。(この場合は、課税事業者は還付を受けることができるので節税になります。)
☑ 2.売上が免税対象になる輸出取引の場合。(消費税は国内取引のみ対象なので、輸出取引の場合の消費税は免除です。仕入れにかかる消費税は全額還付されます。)

免除から課税事業者に変更する手続き

消費税免除事業者から課税事業者に変更する場合は、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出しなければいけません。届出書を作成したら、最寄りの税務署に持参するか送付する必要があります。

届出書を提出する時期は、適用を受けようとしている課税期間の初日の前日までです。届出書の提出以外にも、検討しなければいけないことはたくさんあります。

課税事業者に変更したら検討するべきこと

☑ 1.消費税を預からなければいけないため、請求金額を変更するか検討する。(消費税を上乗せしない場合は、現状が税込み価格になります。)
☑ 2.小売業を営んでいる場合、表示価格を総額表示にするか検討する。(基本的には総額表示が義務付けられていますが、平成29年3月31日までは誤認防止措置をしていれば総額表示にしなくてもいいとされています。)
☑ 3.日々の会計処理にて消費税がかかる取引とかからない取引を区分し、経理処理が正確に行われているかを確認する。(記帳の仕方、会計ソフトの設定変更などを変更前に準備しておく。)
☑ 4.資金繰りについて検討する。(消費税は赤字でも納めることになるので、余裕をもって納税用の資金を貯めておくと安心です。)

消費税を免除される条件

起業後2年目までである事業者

起業後2年目までの事業者は消費税を免除されます。消費税免除の条件が2年前の売上が1,000万円以下の場合。起業してから1年目と2年目は条件となる2年前の売上が存在しないため消費税が免除されるという仕組みです。

ただしすべての事業者が起業後2年目まで消費税が免除されるということではなく、免税規定の条件に満たない場合は例外となります。例えば、起業後1年目と2年目の時点で事業年度開始日の資本金が1,000万円以上の場合、前年の上半期の売上が1,000万円を超えた場合などは消費税免除にはなりません。

個人事業者から法人化後2年間

個人事業者の時に消費税の課税対象だったとしても、会社を設立して法人化の手続きをすると、その後2年間は消費税免除を受けられる場合があります。消費税免除を受けられるかどうかは、新会社起業時の資本金が1,000万円未満であるなどの免税規定の条件を満たしていることが前提です。

免税規定をうまく活用すると、個人事業で2年+法人化で2年=最長4年間の消費税免除を受けることもできます。個人事業者も一定の条件を満たしていることで2年間消費税免除を受けることができ、個人事業を起業してから2年経過した時期に法人化をすると、そこからまた一定の条件を満たせば2年間消費税免除を受けることが可能だからです。

2年前の売上金額による免除

個人事業者あるいは法人を設立すると2年間消費税を免除される理由は、課税か免除かを2年前の売上金額で判定するからです。起業してすぐの初年度に売上金額が1,000万円を超えた場合、2年間は消費税が免除され、3年目から課税することになります。もともと課税事業者で2年前の売上金額が1,000万円以下になった場合は届出書の提出の手続きを取る必要があるので注意しましょう。

特定期間の課税売上高あるいは給与が1,000万円を超えた場合は、2年間の消費税免除の対象外です。その場合は次の年の2年目から消費税の課税をする必要があります。

特定期間とは

個人事業者の場合の特定期間は、1月1日〜6月30日までの6ヶ月間。法人の場合の特定期間は、前事業年度の上半期の6ヶ月間。前事業年度が7ヶ月以下の場合は特定期間の適用にはあたりません。

詳細はこちら

起業時から免除対策をする

資本金の検討

会社の起業を考えているなら、起業時から消費税免除の対策をするようにしましょう。例えば会社設立時の資本金を1,000万円未満にすることで消費税が免除されることがあります。

資本金を1,000万円未満にするだけでは必ずしも消費税免除とはならないので、それ以外の消費税免除の条件をよく調べておきましょう。会社設立から1期目は資本金1,000万円未満の状態を保つことも免除対策のポイントです。

決算日の検討

会社設立時の資本金が1,000万円未満の場合は、1期目は消費税が免除されます。1期目の期間が最長になるように決算日(事業年度)を定めることで、1期目の消費税免除の恩恵を最大に受けることが可能です。

例えば8月に会社を設立した場合は、7月に決算日を定めることによって1期目の期間が最長になります。ただしお金に余裕がない月と決算日が重なることを避けたほうがいいという考えもあるので、決算日については免税だけを優先するのではなく資金繰りなどの観点も含めてよく考えて決めるようにしましょう。

消費税免除の仕組みを学んで経営を円滑にしよう

消費税の免税規定をうまく活用することで節税をすることができます。消費税免税は経営を円滑にするために有利な方法の1つです。

ただし消費税の免除が必ずしもメリットになるということではありません。場合によっては消費税の免除がデメリットになることもあるのです。消費税免除の仕組みを学んでうまく活用し、経営を円滑にしていきましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
顧問料は相場の半分以下と業界最安値だが、それは自社開発のExeLikeシリーズにより、
顧客は簿記や会計の知識を一切要せず、Excelだけで対応でき大いに支持を集めている。