個人事業主で働く人必見、源泉徴収を知ってきちんと納税しよう

サラリーマンの場合は、会社が代わりに源泉所得税を徴収して国へ納税してくれています。一方個人事業主の場合はサラリーマンとは違い、それぞれ個人で納税する必要があります。個人事業主として働く場合の納税方法について、一緒に理解を深めましょう。

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源泉徴収額の計算の仕方

請求額の10.21%が源泉徴収額


平成21年3月11日に発生した東日本震災に伴い、平成49年末までは復興特別所得税が課税されることになりました。そのため、10%だった源泉徴収の税率に対して、0.2%の復興特別所得税が加算されて、10.21%となります。

源泉徴収額の計算方法は、支払い金額が100万円以下の場合は、報酬額に10.21%をかけた金額になります。これは平成49年末までの税率ですが、しっかりと頭に入れておきましょう。

請求額が100万円を超えると請求額の20.42%

請求額が100万円を超える場合の源泉徴収の税率は20.42%となります。報酬の場合の源泉徴収額は、支払い金額に税率を掛け合わせて算出しますが、支払い金額が100万円以下の場合と100万円を超える場合では税率が異なるので注意しましょう。

支払い金額が100万円を超える場合は、対象となる報酬に対して一定の税率をかけた分が、源泉徴収として控除されます。

小数点以下は切り捨て

平成25年1月から復興特別所得税が課税されたことによって、源泉徴収の実務が変わりました。平成23年12月2日に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために、必要な財源の確保のため復興特別所得税が創設されました。

復興特別所得税は、平成25年から平成49年まで支払う必要があり、給与所得者の方は平成25年1月1日以降に支払を受ける給与等から、復興特別所得税が源泉徴収されることになりました。よって所得税の源泉徴収義務者は、所得税を徴する際に徴収する所得税に加えて復興特別所得税(徴収する所得税額に2.1%の税率を乗じて計算した金額)も源泉徴収しなければなりません。

源泉所得税の小数点以下の取り扱いについては、例えば25,000円の報酬を支払った場合など、源泉所得税の小数点以下に端数が生じてしまいます。このように源泉所得税に一円未満の端数が生じる場合、小数点以下を切り捨てた金額を源泉徴収することになります。

特に、復興特別所得税は税率が2.1%で端数が出やすいので、納税額の端数は切り捨てになることを覚えておくとよいでしょう。

消費税抜きの金額が対象

基本的に源泉徴収は、消費税を含む報酬、料金として支払った金額の全てが対象となります。しかし、請求書などで消費税抜きの金額と消費税額とが明確に区分されている場合は、消費税抜きの金額を源泉徴収対象額とすることができます。消費税の取り扱いは見落としがちなので、十分に気をつけてください。

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源泉徴収額の納付方法と期限

所得税徴収高計算書を書いて直接納付する


源泉徴収した所得税は、所定の納付書を一緒に提出します。源泉所得税の納付書の正式名称は「所得税徴収高計算書」と呼ばれ、従業員の給与や、税理士の報酬に関わる源泉所得税について使用されます。一方フリーランスの外注先へのデザイン料等などの報酬に関しては、「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」が使用されます。

通常源泉所得税は、給与や報酬を支払った翌月10日までに納付する必要があります。ただし、納期の特例の承認を受けている場合は、年2回にまとめて納付することができます。この場合は、1月〜6月支払い分を7月10日までに、7月〜12月支払い分を翌年1月20日までに納税します。

これらの納付書は、税務署で受け取ることができます。また、希望すれば税務署から納付書を送付してもらうことも可能です。注意点としては、確定申告書と違い国税局のホームページにあるPDFファイルを印刷して使うことはできません。また区役所にも納付書は用意されていないので、気をつけましょう。

ただし従業員への給与に関する源泉所得税はこの特例の対象となりますが、フリーランスへ支払う原稿料やデザイン料などの報酬に対してはこの特例の対象にならないので注意しましょう。

源泉所得税は所得税徴収高計算書を記入して、税務署や金融機関(郵便局、銀行、信用金庫など)へ行って納付します。納付書は毎月支払いの翌月納付する場合と、特例を受けて年に2回支払う場合では用紙が違います。

用紙の内容はどちらもほとんど同じですが、翌月納付の場合は「一般分」、納期の特例を受けている場合は「納期特例分」を利用しますので、自分に合った納税方法を選んで行いましょう。

e-Tax・電子納税でネット納付する

そのほかに、e-Tax(電子申告)で源泉所得税のデータを送信して、オンラインバンキングで納税することができ、正式には「国税電子申告・納税システム」と呼びます。e-Taxを利用することで、自宅のパソコンからネットを通じて納税することができるのです。

電子申告をすれば紙の申告書を税務署へ提出する必要はないので、時間を有効に使いたい人にとっては利用価値があるでしょう。

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報酬を支払った翌月10日まで

原則として給与などを支払った際に源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。ただし特例として給与の支払いを受ける従業員等が常時10人未満である個人事業主は、翌月10日までではなく半年分をまとめて納めることができます。それ以外の個人事業主は、毎月支払いの翌月10日までに国に収める必要があります。

実際のところ、毎月源泉所得税を納付するのは結構大変な作業です。小規模な個人事業主は、この納期の特例を受けるための申請書を事前に税務署へ提出しておくことが大切です。

また、納付期限が日曜日、祝日などの祝祭日や土曜日に当たる場合は、その休日明けが納付期限となるので、十分余裕を持って納付に備えておきましょう。

個人事業主で源泉徴収が必要な人

従業員を雇っている人


従業員や青色専従者の人に給与を支払っている個人事業主は、源泉徴収義務者となります。専従者とは、家族従業員のことを指します。この場合は、専従者や従業員に支払う給与はもちろん、外注で「報酬・料金」を支払う場合にも源泉徴収をする必要が生じます。

個人事業主でも、事業が拡大して従業員を雇う必要が出てくる場合もあります。従業員(家族を含む)を雇った場合は、事業主は源泉徴収義務者となり、従業員の給与から所得税を源泉徴収して税務署へ納税する義務が生じます。給与の支払い対象となる従業員が10人未満の場合は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出することにより、年2回のまとめ納付が可能になります。

ホステス等への支払いがある人

例えばバーなどを経営する個人事業主や、ホステス派遣業をする個人事業主をされている方も多いことでしょう。実はこれらの事業主でホステスを外注する場合、全ての個人事業主が源泉徴収をする義務があります。ただし直接雇っていない、パートやアルバイトの場合は除きます。

飲食店や旅館、ホテルなどを経営する個人事業主が、外注のホステスを依頼する場合は全て源泉徴収の必要があります。またホステスだけは従業員を雇用していない個人事業主が依頼する場合も、例外なく源泉徴収の義務が発生するので注意しましょう。

個人に報酬や料金を支払った人

個人に対して報酬や料金を支払う際に、源泉徴収の対象となるのは次の通りです。

☑1. 原稿料や講演料(デザイン料、作曲料、指導料、通訳料を含む)

☑2. 弁護士や公認会計士などの、特定資格を持つ人に支払う報酬や料金

☑3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う、診療報酬や料金

☑4. プロスポーツ選手やモデル、外交員に支払う報酬や料金

☑5. 芸能人や、芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬や料金

☑6. 旅館などの宴会で客に接待をする仕事(ホステスやバーテンダー)などに支払う報酬や料金

☑7. プロ野球選手などの契約金

☑8. 宣伝のための賞金や、馬主に払う競馬の賞金

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個人事業主で源泉徴収が不必要な人

常時2人以下で家事使用人だけに給料を払っている人

個人事業主は条件によって、源泉徴収義務者に当てはまらない場合があります。例えば、常時2人以下でお手伝いさんのような家事使用人に対して給与を支払っている場合や、給与などの支払いがなく、弁護士・税理士報酬などの「報酬や料金」を受け取っている場合を言います。

例えば「家事使用人」というと、「お手伝いさん」や「メイドさん」などを指します。家事使用人に対して支払った額は、実は経費にはなりません。税法上、家事はビジネスとは無関係のものに対する支払いと考えられています。労働対価としての給与よりも、個人事業主のポケットマネーからお小遣いとして支払うということになります。

従業員を雇わず1人で仕事をしている人

個人事業主でも、完全に一人で仕事をしている場合は源泉徴収義務者には該当しません。(ただし、クライアントから側からは源泉徴収の対象となります。)

従業員や事業専従者がいないなど、個人事業主が一人で仕事をしている場合は、源泉徴収義務者には該当しません。よって、外注で「報酬や料金」を支払う場合でも、源泉徴収する必要はありません。個人事業主で源泉徴収が必要な場合と、そうでない場合の条件をしっかりと確認しましょう。ただし、法人の場合は社長一人企業であっても、源泉徴収義務者となります。

法人にのみ報酬や料金を払っている人

支払いを受ける側が法人の場合、源泉徴収の対象となるものがあります。馬主である法人に対して、競馬の賞金として支払われる金品のうち、金銭で支払われるものがこれにあたります。

正しく知って必要な場合はきちんと納税しよう


源泉徴収とは企業や事業者が給与や報酬などの代金を支払う時に、あらかじめ所得税・復興特別所得税を差し引くことを言います。法人ではない個人事業主でも、源泉徴収を行う必要が出てくる場合もあります。

源泉徴収を行うのは納税者の義務となっており、もしも徴収を忘れてしまった場合、不納付加算税や延滞税といったペナルティを受けることになります。

忘れていた、知らなかったでは済まされない源泉徴収。個人事業主でも自分はどのような立場にいるのかをしっかりと判断して、正しく源泉徴収を知り、必要な場合はきちんと納税しましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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