個人事業主が従業員をはじめて雇用する場合に必要なこととは

ビジネス拡大のために、個人事業主が従業員を雇うことは、さまざまな手続きや義務が必要となってきます。事業拡大のために従業員は必要ですが、それなりのデメリットも発生します。メリットとデメリットをうまく活用するには、どんな方法があるのでしょうか。

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個人事業主として従業員を雇う時の手続き

税務署に給与支払事務所等の届け出を出す

従業員を雇用し、給与を支払う場合は、税務署に給与支払事務所届けを提出しなければいけません。従業員を雇用し、給与を支払うことになると、事業主は源泉徴収義務者となります。給与から、所得税を源泉徴収して、翌月の10日までに、税務署に納税しなければいけません。

納税は、給与支払事務所となってから、一ヶ月以内に行わなければいけません。届出を行ったあとに、税務署から書類が届きます。記入提出する書類と、細かな詳細が書かれたものが入っています。では、なぜ税務署に給与支払事務所届けを提出する必要があるのでしょうか。

それは、もし税務署に給与支払事務所届けを提出しなかった場合は、税務署側で従業員がいることを把握できないため、納付書が送付されません。これは、納税を怠ってしまう危険性があります。納税を怠った場合は、規定以上の税金を納めなければいけなくなります。そのような事態を回避するためにも、給与支払事務所届を提出する必要があるのです。

公共職業安定所にて手続きをする

個人事業主は、従業員を雇った場合、公共職業安定所にて手続きを行う必要があります。これは、従業員を雇用してから10日以内に、雇用保険に加入するために、雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届を公共職業安定所に提出しなければいけないからです。

従業員を一人でも雇用したのであれば、労働保険が適用されることになります。必ず、所轄である公共職業安定所で、手続きを行ってください。

厚生年金への加入

個人事業の場合は、必ずしも社会保険の加入が義務づけられているわけでは、ありません。しかし、個人事業の場合でも、5人以上の従業員がいる場合は、基本的に社会保険への加入が義務付けられます。中には任意適用となる事業もあります。

☑ 1.第一次産業
☑ 2.一部のサービス業
☑ 3.税理士などの士業
☑ 4.神社などの宗教業

社会保険適用となった個人事業の場合は、従業員全員に加入義務が発生します。社会保険に加入した、従業員は、年金加入の際は、厚生年金に加入しますが、事業主本人は、国民年金への加入となり、厚生年金には加入はできません。

健康保険への加入

社会保険が適用になった場合は、年金とともに、健康保険への加入も必要です。先程の年金についても書きましたが、個人事業主は国民年金に加入し、健康保険については4つの選択肢があります。一般的には、国民健康保険への加入が簡単ですが、前年度の所得に応じた額で設定されます。

業種によっては、組合の保険があるケースがあります。健康保険組合があるのであれば、確認してみるのもよいでしょう。固定額となっているため、収入によっては、国民健康保険よりも安い可能性があります。そして、前職で加入していた健康保険組合を継続できるケースもあります。

これは、退職後2年間ですが、会社が折半していた分を、全額負担して継続できます。但し、途中での脱退はできないため、よく考慮してから考えるようにしましょう。年収が130万円以下であれば、家族の保険に扶養として加入する方法もあります。

従業員の健康保険も、必ず加入が必要です。被用者健康保険に加入し、所得に合わせた金額を支払うものになります。

雇用保険への加入

個人事業を拡大するにあたって、雇用した人材を守っていくための、保険などが必要になってきます。雇用保険は、加入者が育児休暇を取ったり、失業をした場合に事業主が受けられる助成金になる保険です。雇用保険は、事業主・従業員ともに納めます。

雇用保険に加入する条件とは、どんなことがあるのでしょうか。原則的に、雇用保険に加入しなければいけない条件の従業員が1人でもいる場合は、必ず雇用保険に加入しなければいけません。その条件とは、以下の内容になります。

☑ 1.フルタイムの正社員
☑ 2.週20時間以上の労働時間(パートタイマー含む)
☑ 3.契約期間31日以上(パートタイマー含む)

上記に当てはまらない場合は、加入の義務はありません。家族を従業員として、雇用した場合も対象外となります。しかし、家族であっても他の従業員と同じように仕事をしている場合は、加入しなければならない場合もあるので相談するようにしましょう。

労災保険への加入

従業員を雇用した場合は、労働保険への加入の必要があります。労働保険というのは、労災保険と雇用保険のことです。この労働保険への加入は、強制加入となるため、必ず加入する必要があるのです。この加入手続きに関しては、個人事業主が行うことになります。

労災保険の手続きは、保険関係の手続きが成立したときから、10日以内に労働基準監督署で行います。これは、あくまで従業員のための保険であるため、個人事業主は加入することはできません。そして、労働保険料と、雇用保険料の納付方法が、事業によって違う場合があります。

一般的には、一元適用事業といわれる、労災保険料と雇用保険料を合わせて、労働保険料として一緒に納付する方法です。一方、2つの保険料を別々に納める方法もあり、これは、二元適用事業といわれるものです。農林魚業や、建設業などがあてはまります。

労災保険とは、従業員が勤務中や出勤中に怪我や事故等にあってしまった場合に備える保険のことをいいます。労災保険については、必ず加入しなければいけない義務があり、時間や雇用形態関係なく加入義務があるのです。

保険料については、業種によって違います。例えば、作業などが多い職業などは高めになり、オフィスワークの方が低めになっています。業種によって、怪我などのリスクが違うので、保険料の違いがあるのです。

所得税と住民税の徴収

個人事業主は、従業員に給料を支払っているので、源泉徴収を行う必要があります。従業員がいない個人事業主は、この源泉徴収を行う必要がありません。源泉徴収とは、給与などの支払い前に事業主が、あらかじめ所得税を差し引くことをいいます。

そして、住民税については、普通徴収と特別徴収があります。普通徴収とは、年に4回に分けて住民税を支払うもので、特別徴収とは、1年間の住民税を12で割って、毎月の給与から天引きしていくシステムです。これは、会社が住民税を代わりに納付するやり方です。

現在は、従業員の住民税は、特別徴収が義務づけられています。従業員の住民税は、会社が納付することになっています。しかし、中には特別徴収しなくてよいとされるケースがあります。該当するのは、以下のような条件になります。

☑ 1.従業員数が2人以下
☑ 2.他の事業所で特別徴収されている場合
☑ 3.規定以下の給与のもの
☑ 4.給与が毎月発生していない人
☑ 5.個人事業主

従業員を雇うと助成金がもらえる

3ヶ月の雇用でトライアル雇用奨励金

トライアル雇用奨励金とは、就職が困難である技能や知識が不足した求職者について、ハローワーク等の紹介によって、一定期間のトライアル雇用した企業に対して国から支給される助成金のことです。このメリットは、助成金だけではありません。

トライアル雇用のメリットは、労働者の適正や能力をトライアル期間に見極めることができることです。正規雇用する前に、人材の適正がわかるのは大きなメリットです。トライアル雇用では、企業と雇用者の間に3ヶ月間の有期雇用の契約が結ばれます。

期間が終わって、正規雇用にするかを決めます。正規雇用率は、比較的高く8割程度といわれています。企業にとっても、雇用者にとってもメリットの多いシステムです。トライアル雇用が可能なのは、ハローワークもしくは地方運輸局、職業紹介事業者に紹介された者のみです。

コースを選べるキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金制度とは、6ヶ月以上の雇用実績がある、契約社員やパートなどのスタッフを正社員にし、さらに6ヶ月継続雇用すると、該当者に60万円が支給されるものです。厚生労働省が用意しているのは、3つのコースがあります。

☑ 1.正社員化コース
☑ 2.人材育成コース
☑ 3.処遇改善コース

個人事業主が、従業員を雇用した場合、教育などに時間を余分に掛けることが難しいケースもあります。助成金を受けながら、人材の育成につながり、採用のチャンスも増えるので、双方にとってメリットのある制度といえるでしょう。

迷ったら商工会議所でアドバイスをもらおう

はじめての従業員雇用は、わからないことがいろいろ発生するはずです。そんなときは、商工会議所でアドバイスをもらうとよいでしょう。個人事業所をサポートしてくれる、気軽に相談できる場所として上手に活用すれば、会費以上のメリットがあるでしょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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