法定調書の作成・提出に必要なことは。早めに各種資料の準備をしよう

法定調書にはたくさんの種類があり、作成・提出に必要な手続きもいろいろあります。提出期限もあるので、各種資料の準備を早めに進めておくことが大切。作成・提出する際に戸惑うことがないように、法定調書についての知識をしっかり理解しておきましょう。

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法定調書の基礎知識

税法等で提出が定められている資料一式

法定調書とは、税務等で提出が定められている資料のこと。これらの資料は、所得税法、相続税法、租税特別措置法及び内国税の適正な課税の確保のために国外送金等にかかる調書の提出等に関する法律の規定によって、税務署に提出が義務づけられているのです。

法定調書はたくさん種類がありますが、すべてを提出しなければいけないということではなく、該当する調書のみ提出します。これらの調書に記載する支払先は、主に給与を受ける個人や報酬を受ける個人事業主となっています。税務署は支払いを受ける個人や個人事業主が正確な金額を確定申告しているかを裏付けるために、これらの調書の提出を求めているのでしょう。

提出先は税務署

法定調書の提出先は税務署で、直接手渡しだけでなく郵送も可能。年末になると税務署から年末調書や法定調書の知らせが届くようになります。従業員を雇っていないフリーランスや1人社長の会社でも提出すべき法定調書があるので、知らせが届いたら早め確認して提出するようにしましょう。

法定調書は「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成して添付し税務署に提出します。届出書の提出等所定の手続きによって、書面に代えてe-Tax(国際電子申告、納税システム)や法定調書の記載事項を記録した光ディスク等(CDやDVDなど)を使用することも可能です。前々年の提出すべき法定調書の枚数が1,000枚以上の場合は、平成26年1月1日以後は光ディスク等もしくはe-Taxによる提出にすることが義務化されました。

法定調書の種類

法定調書は現在全部で59種類

法定調書の種類は、現在全部で59種類です。所得税法に規定する資料が43種類、相続税法に規定する資料が4種類、租税特別措置法に規定する資料が8種類、国外送金等調書法に規定する資料が4種類あります。

所得税法に規定する資料

☑ 1.給与所得の源泉徴収票
☑ 2.退職所得の源泉徴収票
☑ 3.報酬や料金や契約金及び賞金の支払調書
☑ 4.不動産の使用料などの支払調書
☑ 5.不動産の譲受けの対価の支払調書

☑ 6.不動産などの売買や貸付けのあっせん手数料の支払調書
☑ 7.利子などの支払調書
☑ 8.国外公社債の利子などの支払調書
☑ 9.配当や剰余金の分配や金銭の分配及び基金利息の支払調書
☑ 10.国外投資信託など、もしくは国外株式の配当などの支払調書

☑ 11.投資信託もしくは特定受益証券発行信託収益の分配の支払調書
☑ 12.オープン型の証券投資信託収益の分配の支払調書
☑ 13.配当などとみなす金額に関連する支払調書
☑ 14.定期積立の給付補てん金などの支払調書
☑ 15.匿名組合契約などの利益の分配の支払調書

☑ 16.生命保険契約などの一時金の支払調書
☑ 17.生命保険契約などの年金の支払調書
☑ 18.損害保険契約などの満期返戻金などの支払調書
☑ 19.損害保険契約などの年金の支払調書
☑ 20.保険など代理報酬の支払調書

☑ 21.非居住者などに支払われる組合契約に基づいた利益の支払調書
☑ 22.非居住者などに支払われる人的薬務提供事業の対価の支払調書
☑ 23.非居住者などに支払われる不動産の使用料などの支払調書
☑ 24.非居住者などに支払われる借入金の利子の支払調書
☑ 25.非居住者などに支払われる工業所有権の使用料などの支払調書

☑ 26.非居住者などに支払われる機械などの使用量の支払調書
☑ 27.非居住者などに支払われる給与や報酬や年金及び賞金の支払調書
☑ 28.非居住者などに支払われる不動産の譲受けの対価の支払調書
☑ 29.株式などの譲渡の対価などの支払調書
☑ 30.交付金銭などの支払調書

☑ 31.信託受益権の譲渡の対価の支払調書
☑ 32.公的年金などの源泉徴収票
☑ 33.信託の計算書
☑ 34.有限責任の授業組合などにかかわる組合印所得に関連する計算書
☑ 35.名義人受領の利子所得の調書

☑ 36.名義人受領の配当金所得の調書
☑ 37.名義人受領の株式などの譲渡の対価の調書
☑ 38.譲渡性預金の譲渡などに関連する調書
☑ 39.新株予約権の行使に関連する調書
☑ 40.株式無償割当てに関連する調書

☑ 41.先物取引に関連する支払調書
☑ 42.金地金などの譲渡の対価の支払調書
☑ 43.外国親会社などが国内の役員などに供与などした場合の経済的利益に関連する調書

相続税法に規定する資料

☑ 1.生命保険金と共済金受取人別の支払調書
☑ 2.損害(死亡)保険金と共済金受取人別の支払調書
☑ 3.退職手当金など受給者別の支払調書
☑ 4.信託に関連する受益者別(受託者別)の調書

租税特別措置法に規定する資料

☑ 1.上場証券投資信託などの償還金などの支払調書
☑ 2.特定新株予約権などの付与に関連する調書
☑ 3.特定株式などの移動状況に関連する調書
☑ 4.特定口座年間取引報告書
☑ 5.非課税口座年間取引報告書
☑ 6.未成年者口座年間取引報告書
☑ 7.教育資金管理契約の終了に関連する調書
☑ 8.結婚や子育て資金の管理契約終了に関連する調書

国外送金等調書法に規定する資料

☑ 1.国外送金などの調書
☑ 2.国外財産の調書
☑ 3.国外証券移管などの調書
☑ 4.財産債務の調書

法定調書に含まれるもの

法定調書は現在全部で59種類ありますが、その中で代表的なものが支払調書と源泉徴収票。支払調書とは、特定の支払をした事業者が税務署に提出する書類のことをいい、支払内容や明細が記載されています。税務署が支払いを受けた個人や支払いをした事業者が正しく申告しているかを照合するためのものです。

源泉徴収票は、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、公的年金などの源泉徴収票の3種類。給与や退職金の支払いをする事業者が発行するもので、1年間の支払額を証明するものです。ただし、従業員のいない個人事業主やフリーランスは提出義務はありません。

法定調書と間違えやすい書類

法定調書と同じ時期に、市町村に提出する「給与支払報告書」がありますが、これは法定調書ではありません。住民税と国民健康保険料を計算する資料のために提出する書類です。源泉徴収票と様式が同じで用紙も一式にされていて間違えやすいので注意しましょう。

支払調書について知る

支払調書は源泉徴収義務者が発行する

支払調書は源泉徴収義務者が発行して税務署に提出します。支払う側は税務署に提出する義務がありますが、報酬を受ける側に対しては発行する義務はありません。そのため報酬を受ける側は支払調書がなくても正しく確定申告できるように、普段からこまめに記帳しておくことを心がけておきましょう。
ちなみに、従業員のいない1人社長である個人事業主やフリーランスは、源泉徴収義務者ではないので、支払調書を発行する義務もありません。

個人事業主にとって重要な支払調書

(支払調書の提出義務がある)個人事業主にとって重要な支払調書には「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」があります。その中で必ず支払調書を作成して税務署に提出する必要があるのは以下のものがあります。

☑ 1.外交員、集金人、電力量計の検針人、プロボクサー、ホステスなど、報酬や料金や広告宣伝のための賞金で、年間の支払合計額が50万円を超える場合。
☑ 2.馬主に支払う競馬の賞金で、その年中の1回の賞金額が75万円を超えたばぬしに関連するその年中すべての支払金額。
☑ 3.プロ野球選手などに支払う報酬や契約金で、年間の支払合計額が5万円を超える場合。
☑ 4.弁護士・税理士への報酬、作家・デザイナーの原稿料や画料、講演料などで、年間の支払合計額が50万円を超える場合。

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個人事業主が源泉徴収義務者の場合

法人の場合は自動的に源泉徴収義務者になりますが、個人事業主の場合は青色専従者やアルバイトなど、従業員がいる場合に源泉徴収義務者になります。源泉徴収義務者の場合は、支払調書の作成が義務です。
ただし年間で一定額以上の支払をした場合のみ税務署に提出することになっているので、詳細については国税局のホームページ等で確認しましょう。人を雇わずに1人で仕事をしている個人事業主の場合は源泉徴収義務者にならないので、支払調書の作成義務もありません。

支払調書は2枚作成する

支払調書は2枚作成するようにしましょう。1枚は税務署への提出分、もう1枚は取引先の個人事業主への送付分です。取引先の個人事業主に発行するのは法律上の義務ではありませんが、発行して送付したほうが親切ですし、取引先の方から確定申告時に支払調書に関係する問い合わせがくるなどの手間も減るというメリットもあります。

税務署へ提出する法定調書合計表とは

個々の法定調書を集計しまとめたもの

法定調書を税務署に提出する際には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を添付します。この法定調書合計表とは、個々の法定調書を集計してまとめたものです。
税務署側にとって、従業員全員分の源泉徴収票を送付されても計算が大変で苦労します。税務署側の手間を省くために、事業主体ごとに集計したものをまとめて提出するということです。

合計表作成する際によく利用する法定調書

法定調書合計表には、利用が多いとされている以下の6つの法定調書の合計表から成り立っています。(以下の6つの法定調書以外も、定まった様式はないものの同様に合計表の添付は必用です。)

1.給与所得の源泉徴収票

源泉徴収票は、給与支払いの際には必ず作成しなければいけないものですが、税務署への提出義務は一定の要件を満たしている場合のみです。そして全体の状況と提出人数を簡単に把握するために源泉徴収合計表を作成します。
源泉徴収合計表は、「俸給、給与、賞与等の総額」という欄に支給したすべての給与等の件数と総額を記載。そして「源泉徴収票を提出するもの」という欄に税務署に提出する源泉徴収票の人数と総額を記載します。

2.退職所得の源泉徴収票

退職所得の源泉徴収票も全体の状況を把握するために合計表を作成します。退職所得の源泉徴収票合計表は、「退職手当等の総額」という欄に支給したすべての退職手当等の件数と総額を記載。そして「「退職手当等の総額」のうち、源泉徴収票を提出する者」という欄に税務署に提出する源泉徴収票の人数と総額を記載します。

3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表の作成の際には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」の「人員」という欄がありますが、個人にかかるものと個人以外にかかるものを区分して記載し。「支払金額」と「源泉徴収税額」という欄は、個人及び個人以外を問わず、合算で記載します。

4.不動産の使用料等の支払調書

不動産の使用料等の支払調書合計表の作成の際には、「不動産の使用料等の総額」という欄に支払ったすべての人員数と支払金額の総額を記載。そして「不動産の使用料等の支払調書を提出するもの」という欄に税務署に法定調書を提出すべき人数を記載します。

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表の作成の際には、「不動産等の譲受けの対価の総額」という欄に支払ったすべての人員数と支払金額の合計額を記載。そして「不動産等の譲受けの対価の支払調書を提出するもの」という欄に税務署に法定調書を提出すべき人数を記載します。

6.不動産等の売買または貸付のあっせん手数料の支払調書

不動産等の売買または貸付のあっせん手数料の支払調書合計表の作成の際には、「不動産等の売買または貸付のあっせん手数料の総額」という欄に支払ったすべての人員数と支払金額の合計額を記載。そして「不動産等の売買または貸付のあっせん手数料の支払調書を提出するもの」という欄に税務署に法定調書を提出すべき人数を記載します。

税務署によっては雛形があることもある

法定調書合計表は、源泉徴収票や支払調書をもとにして作成しますが、この時期は資料の作成がたくさんあり大変です。手間を減らすためには雛形を使用して作成すると便利。税務署によっては雛形があることもあるので、事前に税務署に確認してみましょう。雛形を利用すれば、一部を変更や加工するだけで簡単に法定調書合計表が作成できます。

法定調書の提出期限と期限を過ぎた場合

毎年1月末が提出期限

法定調書の提出期限は種類によりますが、ほとんどのものが毎年1月末(1月31日)です。種類によっては2月や3月が提出期限のものもあります。
1月頃は年末調整や給与支払報告書や法定調書合計表や償却資産税申告書の作成など、年末調整、給与支払報告書、法定調書合計表、償却資産税申告書の作成などと、提出期限のある手続きが集中しているので大変ですが、スムーズに提出できるように早めに準備を整えておきましょう。

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郵送の場合は提出期限までの消印が必要

法定調書の提出は直接税務署に行かなくても郵送で提出することもできます。郵送の場合は提出期限までの消印が必要となりますので、どちらにしても提出期限を過ぎないように心がけておくことが大切です。
郵送で提出する際、控えの返却がある場合は切手を貼った返信用封筒を同封するようにしましょう。返信用封筒がない場合は返却してくれない可能性もあります。

期限を過ぎても罰則は無い

法定調書には提出期限はありますが、期限を過ぎても罰則はありません。納税に関するものであれば提出期限を過ぎると遅延量が発生するなどのペナルティーがありますが、法定調書に関してはペナルティーは発生しません。
しかし、信用面のためにも提出期限は守るようにしたほうがいいです。さらに、未提出や偽りの申告をした場合などは、1年以下の懲役ないし50万円以下の罰金が課せられる可能性があると所得税法に定められているので注意しましょう。

期日ギリギリで慌てないようしっかり準備を

法定調書はたくさん種類があり、手間がかかります。提出期限となる1月頃は作成・提出が必要な資料がたくさんあり大変な時期です。
期日ギリギリに法定調書の作成をしようと思っていると、簡単にはできず焦ってしまう可能性があります。期日ギリギリで慌てないようにしっかり準備をしておきましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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