「確定申告に必要な添付書類」しっかり確認してもれなく提出を

毎年行わなければならない確定申告ですが、提出しなければならない書類がいくつかあります。税務署へ提出する際の注意事項や、オンライン上でのシステムの相違などをきちんと確認し、漏れのないように確定申告書を提出する方法を見ていきましょう。

確定申告の添付書類の種類

収入や所得を証明する書類

確定申告には、添付書類がいくつか存在します。給与所得者や年金受給者は、源泉徴収がなされています。原則的には確定申告は不要ですが、規定上のケースでは確定申告が必要となるのです。給与所得者は、勤務先から源泉徴収が発行されます。

公的年金受給の場合も、年金の源泉徴収を提出します。個人事業主や企業側は、契約金や配当金など支払った際に支払調書が必要です。支払調書には、支払金額と源泉徴収額が記載されることとなります。

控除をうけるための書類

確定申告では、各種控除を受けるために必要な書類があります。収入から所得を割り出すために、その年にかかった経費を計算しなくてはなりません。一定の条件さえ満たしていれば、控除が受けられます。それによって、納税額を減らすことが可能となります。

一般的な控除としては、国民年金保険料などの社会保険控除、地震保険控除、寄附金控除などがあります。各控除を受けるためには、保険料の控除証明や寄附金の受領証など、支払いを証明する書類が必要となりますので、しっかり準備しておきましょう。

マイナンバーなどの身元確認書類

2016年以降の確定申告書類から、身元確認としてマイナンバーの記載欄が設けられるようになりました。法人の場合は、事業用に13ケタの番号が割り振られていますが、個人事業の場合は事業用の番号はなく、個人に割り振られている12ケタの個人番号を記入します。

添付書類台紙には、マイナンバーの写しを貼り付けることができます。裏表両方のコピーを取って、貼り付けて完了です。専用のカードケースからは取り出し、12ケタの個人番号を確認できる状態でコピーをとりましょう。マイナンバー以外では、通知カードと免許証などの身元確認書類の二つが必要となります。

医療費控除用の明細書と領収書

1年間に10万円以上の医療費を支払った方の場合、納めた税金の一部が還付されます。医療費控除とは、自分や家族の為に、1月1日から12月31日までの1年間に10万円以上の医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除が受けられます。

ただし、申告の際に必要書類や医療機関から受け取った領収書、治療の際に必要となった交通費の明細などが必要となってきますので、大切に保管しておきましょう。領収書やレシートなどは、わかるところに保管しておき、治療を受けた方の氏名や支払先、支払金額などをきちんと把握しておくことが大切です。

確定申告の添付書類の提出方法

添付書類台紙に糊付けして提出

作成した確定申告書類や、揃えた各行政書類を提出する際には、税務署に出向いて確定申告を行います。青色申告者用の青色申告決算書や、白色申告者用の収支内訳書など、確定申告書と一緒に提出しましょう。

この際に、給与所得の源泉徴収票などは、書類台紙へ糊つけします。添付書類台紙は、税務署から配布されており、確定申告書一式に同封されています。また、国税庁のウェブサイトからもダウンロードが可能となっています。

添付書類をホチキスでとめる場合の注意点

確定申告の際、添付書類に関しては、絶対にこれで貼らなければならないというようなルールは 特にありません。しかし、万が一はがれてしまうようなことにならないために、注意が必要となります。各証明書などは、出してくれる機関によって、サイズや紙の厚さなどがバラバラですので、適切な方法を選びましょう。

書類は、はがれないことが大切です。とくにホチキスなどで書類をとめる際は、確定申告書の黒い四角の部分をふさいでしまわないようにしましょう。ふさいでしまうと、光学文字認識処理が、正確に行えなくなってしまうので、注意が必要です。

添付書類台紙は確定申告書Bを出力で手に入る

自治体から、申請書類が送付される給付制度とは違い、確定申告には「申告納税制度」を採用しています。そのため、納税者は自分で申告しなければなりません。確定申告は、用紙が送られてくるわけではありませんので、自分で確定申告書用紙を入手しなければならないのです。

入手方法としては、以下の方法があり、PDFファイルで確定申告書Bを、出力で手に入れることも可能となっています。

☑ 1.税務署から取り寄せる
☑ 2.税務署まで取りにいく
☑ 3.確定申告時期に設置されている申告相談会場でもらう
☑ 4.自宅またはコンビニのコピー機などからプリントアウトする

医療費の領収書は封筒型の明細書に入れる

1年間の医療費が10万円を超えてしまっている場合、かかった医療費の領収書が必要となります。しかし、1年間医療機関へ通った領収書ですから、それなりの量があるでしょう。また、病院薬局によっては、用紙が違っていて、バラバラであったりする場合もあるかもしれません。

しかし、絶対にこの方法でなければ書類を受け付けませんというようなルールはありません。そのため、提出の際にもさまざまな方法があるのです。領収書は添付書類台紙に貼らなくても、添えて提出すれば構いません。複数枚ある領収書を、クリップやホチキスなどで止めて、封筒型の明細書に入れましょう。

医療費の明細書を使用すると便利です。税務署に用意されている明細書は、封筒になっていて、中に領収書を入れて提出が可能となっています。また、国税庁のウェブページなどからダウンロードも可能です。適当な大きさの封筒に貼り、中に領収書を入れて完了です。

台紙に貼りきれない添付書類は貼らなくても良い

必ずしも、すべての領収書を「添付書類台紙」に貼る必要はありません。毎週のように通院している方や、病院や薬局ごとに領収書を出してもらっている場合、「1年間の領収書」ともなると、何十枚もあることでしょう。

そうなっては「添付書類台紙」に貼りきれませんから、すべてを台紙に貼る必要はありません。確定申告書類と一緒に、領収書をクリップやホチキスでまとめて、ファイルなどに分けておくといいでしょう。提出の際に、確定申告書類と領収書のまとめを持って、税務署に提出をしましょう。

原本が必要な添付書類とコピーでも良い添付書類

身元確認書類以外は原則原本の添付が必要

確定申告書類を税務署へ提出する場合、身元確認書類の場合はコピーの提出となりますが、添付書類に関しては、基本的には原本の提出となります。理由としては二重控除を防ぐためで、本人に悪意がなかったとしても、間違えてしまうケースが多いようなので、気を付けましょう。

また、提出した添付書類の原本は返却してもらえないので、コピーをとっておくことをおすすめします。

医療費の領収書原本の返却は可能

医療費控除を受けるために、病院などでもらった領収書が必要となります。基本的に、添付書類の原本は返却されませんが、この医療費の領収書は、確定申告を行った後に返却してもらうことが可能です。

確定申告書類を提出する際に、添付台紙につける方法と、台紙につけずに領収書を封筒などに入れて、確定申告書類と一緒に提出する方法があります。掲示した場合には、領収書に確認印を押してもらい、その後返却してもらえます。

また、確定申告時に医療費の明細も、領収書と併せて必要になりますので、確認を怠らないように気を付けましょう。

電子申告の場合は添付書類を省略でき原本不要

オンライン上で確定申告が行える、電子申告式の「e-Tax」ですが、この場合には領収書の提出にかわり、書類等の記載内容を入力する方法がとられています。e-Taxにて確定申告を行う場合は、一定の書類の内容を、インターネット上で入力して送信できます。

医療費の領収書や源泉徴収等、主な記載内容に「病院名」や「支払った金額」などを入力することにより、書類の提出や提示を省略することができるのです。また、自宅などから、オンライン上で行われた確定申告の還付申告は、3週間程度で処理が完了します。そのため時間がなく、自分で出向けない場合にも、とてもスピーディーで便利です。

しかしこの場合、原則として、法定申告期限から5年間税務署長は、入力内容の確認のために、書類の提出か掲示を求めることができます。よって、5年間は用意した書類の原本を、なくしてしまわないようにしましょう。

また、確定申告期間中であればe-Taxの場合、24時間受付可能のため、自分の都合のよい時間帯に確定申告の提出ができます。e-Taxの利用可能期間やメンテナンス等は、e-Taxのホームページにて記載がありますので、確認しましょう。

電子申告された源泉徴収票では確定申告不可

電子申告の場合、添付書類や控除の書類などは、基本的に省略することが可能となります。その利便性の高さから、オンライン上で確定申告を行う方も増えてきています。しかし、電子公布された源泉徴収票では、確定申告で使用できません。源泉徴収票は、勤め先などから紙でもらうのが原則です。

書いてある内容は一緒ですが、電子公布された源泉徴収票は認められていません。経費などの削減に伴い、さまざまな書類が電子化されてきていますが、源泉徴収票も紙のものが廃止され、社内で閲覧する仕組みをとっている企業も少なくありません。しかし、確定申告時には源泉徴収の原本が必ず必要です。

では、オンライン上で閲覧されている源泉徴収票を、自分でプリントアウトした場合はどうでしょうか。この場合であっても不可となります。そのため、源泉徴収票がオンライン化されている場合は、勤め先から書面として交付を受ける必要があります。紙で欲しいと申し出があれば、企業側は交付する義務が生じますから、必ずもらいましょう。

提出時に備えて添付書類を準備しておこう

確定申告には期限があります。また、税務署へ出向いて提出する場合やオンライン上で確定申告を行う場合では使い勝手が違いますから、自分で提出方法をきちんと把握しましょう。自分が受けるべき控除は何なのかを把握し、医療控除を受ける場合には、1年間の通院明細や、かかってしまった医療費の領収証を必ず保管しておきましょう。

添付の際の注意点は、必ず台紙に貼り付ける必要はないので、確定申告時に書類と一緒にまとめておきましょう。原則添付書類はすべて「原本」が必須です。コピーが必要となるのは、マイナンバーカードなどの身元確認書類です。医療控除の書類を除いて返却はされませんので、万が一のことを考えて、きちんとコピーを残しておきましょう。

オンライン上での確定申告の場合は、このような添付書類を省略することが可能となっていますが、5年間は処分しないでください。提出時に書類の不備や、足りないものなど発生しないように、事前にきちんと確認をしましょう。

電子化が進んでいるこの時代、便利ですが省略可能なものとそうでないものがあります。自分はどの方法で提出するのが最も効率的なのかを理解したうえで、提出に備えて準備を怠らないようにしましょう。

More from 公認会計士・税理士 伊藤 温志