年末調整で節税。控除をフル活用すると驚くほど還付金が受け取れる

年末に会社で行われる年末調整。その仕組み自体、あまり理解されていないのが現状です。謎の多い年末調整ですが実は控除されるものがたくさんあり、きちんと申告すれば還付金も多く受け取ることができるのです。

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年末調整の基本

 

源泉所得税額の精算

日本では、給与などの所得がある国民には所得税の納税義務があります。本来であれば給与を受け取る本人が自身で調べて納税しなくてはならないのですが、働く国民の約7割がサラリーマンの日本ではなかなかそうもいきません。そこで、源泉徴収義務者である会社が本人に代わって国に支払いをしてくれています。この仕組みを源泉徴収といい、その概算の所得税を「源泉所得税額」といいます。

しかし、毎月の源泉徴収は支払見込み予定の給与で計算されるため概算のものとなります。あらためて年末に実際に得た給与から、それにかかる正しい所得税を計算し、支払い済の「源泉所得税額」と差異があれば還付・納付が行われます。

年末調整の期間

年末調整の期間は1月から12月です。年内最後の給与が確定したら計算が行われるため、12月もしくは年明け1月の給与に、調整された金額が還付または追加納税として反映される会社が多いようです。

もし、1年のどこかで退職と再就職をした場合、以前の職場からもらった源泉徴収票を新しい会社に提出し、合わせて年末調整してもらいます。退職したものの、年内に再就職しなかった場合はご自身で確定申告が必要となりますので注意しましょう。

年末調整額の計算方法

年末調整では、会社が概算で支払った「源泉所得税額」と、実際に支払われた給与から各種控除を差し引いた金額の差異を計算します。「源泉所得税額」は給与だけで設定されるため、控除関係なく多めに支払われています。

控除には有名なものだけでも、扶養者控除・配偶者控除・基礎控除・個人の加入保険の控除などさまざま。どの控除が適用されているのか確認することで申告漏れを防げます。

医療費控除は確定申告で

本人や生計を共にする家族が出産をしたり入院や手術をしたりし、その年の医療費が合計10万円を超えた場合、もしくは所得の5%を超えた場合は医療費控除の対象となります。

医療費控除は年末調整では処理されませんので、別途確定申告が必要となります。その際実際に支払った金額のわかる領収書が必要となりますので、1年間の領収書をとっておく癖付けをしましょう。

病院での診察以外に、風邪を治すために購入した風邪薬や通院に使ったタクシー代、治療のための鍼灸院での施術なども含まれます。ただし、美容や予防目的のものは含まれませんので注意しましょう。対象となる医療費について、詳しくは国税庁HPをご確認ください。

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主要な控除項目

給与所得者の為の給与所得控除

働くために使う、文房具や制服などの必要経費は「給与所得控除」の対象となります。職種や雇用形態は関係なく年収のみで判断される金額であり、所得税は年収からこの給与所得控除を引いたものにかかってきます。

計算方法は以下の通りとなります。(平成29年分)
☑ 1.年収180万円以下…年収×40% ただし、65万円に満たない場合は65万円
☑ 2.年収180万円超〜360万円以下…年収×30%+18万円
☑ 3.年収360万円超〜660万円以下…年収×20%+54万円
☑ 4.年収660万円超〜1000万円以下…年収×10%+120万円
☑ 5.年収1000万円超…220万円(上限)

たとえば、年収540万円の場合…540万円×20%+54万円=162万円が給与所得控除額となります。よって、所得税がかかる金額は540万円-162万円=378万円です。

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扶養者がいれば扶養控除

子どもや親など扶養家族がいる場合、以下の条件を満たせば「扶養控除」が受けられます。
☑ 1.配偶者以外の親族、里子、市町村長から用語を委託された老人であること…配偶者は配偶者控除を受けられます。
☑ 2.本人と生計を共にしていること…必ずしも同居ではない。例えば、高校・大学進学で家を出た子どもへの仕送りなどを家計からまかなっている場合は該当します。
☑ 3.年間の合計所得金額が38万円以下であること…給与収入のみである場合はその収入が103万円以下であることが条件。
☑ 4.青色・白色申告者の事業専従者でないこと…青色・白色事業者には別途、事業専従者控除があるため扶養控除からは除外されます。

なお、対象となる年齢の範囲は、その年の12月31日現在で16歳以上の人です。一般であれば控除額は38万円ですが、年齢・同居かによって以下の通り変わってきます。
☑ 1.一般の控除対象扶養親族…38万円
その年の12月31日現在で16歳以上の人
☑ 2.特定扶養親族…63万円
その年の12月31日現在で19歳以上23歳未満の人
☑ 3.老人扶養親族(同居老親等以外)…48万円
その年の12月31日現在で70歳以上の人
☑ 4.老人扶養親族(同居老親等)…58万円
同居老親等とは、老人扶養親族のうち本人または配偶者の父母・祖父母などの直系の尊属で、本人または配偶者と常に同居している人のこといいます。

特定扶養親族は、大学などへの進学で一時的に出費が増える時期のための控除です。老人扶養親族の同居老親等の対象ですが、病気治療のための入院で1年以上の長期別居をしている場合は同居とみなされますが、老人ホームに入所した場合はそこが居住地となるため除外されます。

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制限のある配偶者控除

配偶者がいる場合は以下の条件を満たせば「配偶者控除」が受けられます。
☑ 1.民法の規定による配偶者であること…内縁関係の方には該当しません。
☑ 2.本人と生計を共にしていること…同居の有無は問われません。
☑ 3.配偶者の年間合計所得金額が38万円以下であること…給与収入のみである場合はその収入が103万円以下であることが条件。
☑ 4.青色・白色申告者の事業専従者でないこと…青色・白色事業者には別途、事業専従者控除があるため、配偶者控除からは除外されます。

平成29年分までは一般の配偶者控除額は38万円となり、「老人控除象配偶者」と呼ばれるその年の12月31日現在で70歳以上の配偶者の控除額は48万円となります。

平成30年分以降からは本人の合計所得金額によって控除額が以下のように変わります。
☑ 1.本人の合計所得金額900万円以下…控除対象配偶者38万円、老人控除対象配偶者48万円
☑ 2.本人の合計所得金額900万円超950万円以下…控除対象配偶者26万円、老人控除対象配偶者32万円
☑ 3.本人の合計所得金額950万円超1000万円以下…控除対象配偶者13万円、老人控除対象配偶者16万円
☑ 4.本人の合計所得金額が1000万円超…配偶者控除なし

本人の年収が1000万円以下であれば、配偶者の合計所得金額が38万円を超えてしまった場合でも「配偶者特別控除」を受けることができます。控除額は、配偶者の合計所得金額によって段階分けされており、76万円を超えると0円となります。

平成30年分以降から「配偶者特別控除」は本人と配偶者のそれぞれの合計所得金額で、控除額が細かく分けられます。詳しくは国税庁HPにある表をご覧ください。

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住宅購入での住宅ローン控除

住宅購入し住宅ローンを組むと、10年間で最大総額400万円の「住宅ローン控除」を受けることができます。控除を受ける場合、1年目は年末調整ではなく確定申告が必要となり、2年目からは年末調整で対応可能となります。

2年目に税務署から「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が送られてきます。そして、金融機関から発行される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を年末調整の際会社に提出しましょう。

条件がない基礎控除

日本には、働いている人誰もが受けることができる「基礎控除」というものがあります。収入金額や扶養など、何も条件がなく一律に受けられる控除で金額は38万円です。

そのほかの控除がなくても年末調整されていれば、源泉徴収票の控除欄には必ずこの38万円は記載されます。もし記載がない場合は年末調整が正しく行われていないので、すぐに会社に報告しましょう。

保険加入での適用控除

生命保険加入で生命保険料控除

生命保険料・介護保険料・個人年金保険料を支払った場合、「生命保険料控除」を受けることができます。控除額は年間の支払保険料で変わります。(ここでは平成24年以降に締結された新契約の控除額を記載します。)
☑ 1.年間の支払保険料等が2万円以下…支払保険料等全額
☑ 2.年間の支払保険料等が2万円超4万円以下…支払保険料等×1/2+1万円
☑ 3.年間の支払保険料等が4万円超8万円以下…支払保険料等×1/4+2万円
☑ 4.年間の支払保険料等が8万円超…一律4万円
例えば、年間の支払保険料等が5万円の場合…5万円×1/4+2万円=3万2500円が控除額となります。

また、この控除を受けるためには保険会社から発行される「保険料控除証明書」の添付が必要となりますので無くさないよう注意しましょう。

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控除済の場合もある社会保険料控除

社会保険とは、健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険などの総称です。所得税同様、毎月の給与から天引きされているので、年末調整のときも会社にて控除されるため、本人で改めて申告する必要はありません。実際に支払った金額または給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額が控除されます。

ただし、配偶者や子どもの国民健康保険料を本人が支払ったなど、会社で確認できない社会保険料がある場合は申告が必要です。年末調整のときに渡される「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の右下にある「社会保険料控除」の欄に記載しましょう。

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地震保険加入で地震保険料控除

地震保険に加入すると「地震保険料控除」を受けることができます。年間に支払った保険料の合計が5万円以下であれば支払った全額、5万円を超えるものは5万円が控除されます。

生命保険料控除同様、保険会社から発行される「地震保険料控除証明書」が必要となりますので、無くさないよう注意しましょう。

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各種控除の申請を忘れずにしっかりしよう

一言に控除といってもたくさんの種類があり、控除を受けるために証明書が必要な場合も多くあります。年末調整で20万円以上の大きな還付がある人もたくさんいらっしゃいます。申請漏れで損をしないためにも時期が近づいたら、手元に届く控除証明書に漏れがないか確認しましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

開業8年で600社ものクライアントを有するエクセライク会計事務所の代表税理士。
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